岸和田競輪のGⅢ「第3回大阪・関西万博協賛競輪」は7日、10Rで決勝戦が行われ、高久保雄介の気迫の逃げに乗った山本伸一(39・奈良=101期)が20年10月松戸GⅢナイター以来、2回目のGⅢ優勝。地元の南修二は惜しくも2着。3着には松岡辰泰が入線。
地元勢と袂(たもと)を分かった山本が、会心の番手戦でうれしい優勝を飾った。レースは正攻法の高久保―山本を岡本―伊藤がイン切り。さらに松岡―山口が叩いたが、中団で抜けた高久保がすかさず巻き返し主導権を握った。カマして出た土生―南の地元勢を封じる気迫の先行。番手の山本が3番手に切り替えた南の動きに反応しながら、直線抜け出した。
「高久保が周回中からバンバン気迫が伝わってきました。(切り替えた)南さんが外に持ち出したのは分かったんで直線勝負だと。あまり覚えていないです」
無我夢中で踏み込み優勝を手に入れた。それにしても高久保との相性は抜群。S級初Vも高久保に乗ってのモノだった。
「ウイークポイントを見つめ直して、苦しい嫌いな練習に取り組み、方向性だけを考えて心も鍛えられるようにしました。オールスターは出られなかったけど、競輪祭の権利を得たので、チャンスを生かしたいです。一歩一歩階段を上ってGⅠ優勝を狙いたい」
鍛錬の結果が約2年ぶりのGⅢ優勝につながった。後半戦はグレードレースでもパワフルな走りを見せてくれるか。活躍を期待したい。
◇山本 伸一(やまもと・しんいち)1983年(昭58)2月15日生まれ、奈良支部所属の39歳。101期生として12年7月高知デビュー。機動力を主体にメンバー次第では差しも可能で幅もあるのが強み。通算成績は831戦211勝。1㍍75、82㌔。血液型A。
◇次走 優勝した山本と2着の南は奈良FⅠ戦(15~17日)、3着の松岡は高松FⅠ(18~20日)。